事務所では山のような事務仕事が待っている。
演奏活動をするには必要不可欠だが、ある意味演奏より神経を使い、大変に重要な部分でもある。舞台に立つ瞬間だけが、仕事じゃありませんね。本番舞台は一瞬で終わっちゃうけど、大半はリハーサルや作曲・アレンジに時間がかかります。

今日は、譜面を書いたり、今後のコンサートの曲目を考えたり、アレンジ、楽器編成等を決めていく。
夕方、楽器等の件で浅草・宮本卯之助商店へ。
夜は打ち合わせが入っていてこれも無事終了。事務所に戻ってまた仕事を続ける。

作曲は「さてやろう！」と言って、なかなかできるもんじゃないからねぇ。
考えれば考えるほど、作品にならなかったりするし、あるとき、パッと思いついたメロディーやコード、音譜が意外に良い作品になったりして、すぐに１曲できてしまう場合もある。

普段から、喜怒哀楽などの色々な感情や場面や風景を感じてイメージをつくっておいて、思いついたフレーズは、すぐにメモしていくつも残しておく。
作品を仕上げる期日が決まっていたりすると、自分の感情をコントロールしないと書けない。

何か完全に仕事や音楽の事を忘れて、他のものに熱中したりする時間が絶対に必要。
そうすると新たな発見が生まれたりするからね。
おもいっきり怒ったり、本当に悲しくてめちゃくちゃ泣いたり、息が出来ないほど笑ったりするけど、その全てが演奏に反映すると思う。
太鼓は打楽器だけど、僕は唄だと認識してる。

伝統芸能を観てもその土地の気候や文化ならでは、と感じる事も多い。
でも伝統って言うけど、昔の人は伝統に残す為に自分の唄（演奏）を唄った（演奏した）んじゃないと思う。
数十年後、数百年後に残るか残らないかはその時に決められるはずがなく結果的な話。
楽しければ楽しい唄、悲しければ悲しいなりの唄、辛い時は辛い唄になったに違いない。
今から見れば伝統のモノだけど、その時は最新のモノだったわけだし、その時人々に反感を買った異端児の唄（演奏）が様々な形で受け継がれ、今となっては「伝統」として名を残しているのかもしれない。

どの時代も、生きてる人間が、その時感じたものを素直に唄う（演奏する）からこそ、人間らしさが出ると思うし、様々なタイプの伝統が我々の時代まで残っているのだと思う。
自分の場合、たまたまそれが太鼓だったから、自分の楽器で唄ってるけど、人それぞれ様々なものがあると思う。

何か真面目な話になったけど、これはいつも思うね。